가보기 전엔 죽지마라를 읽고 검색을 해보니 저자의 홈피가 있군요.

책에 실리지 않은 여행 에피소드 리스트가 있어서 업어왔습니다.

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1.メシと幸せ (中国)

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 夕方、国境の町に着いた。
 そのままカザフスタン側のこの町
にもう一泊してもよかったのだが、
ぼくは何かに急かされるように国
境を抜け、中国に入った。
 理由はただ一つ。中華料理を食
べるためである。

 自転車で旅をしていると、次第に
「食う」ことが旅の目的のようにな
ってくる。それでなくても普段から
食い意地のはっているぼくにとっ
て、中国における最大の関心ごと
は一にも二にもメシだった。  
              屋台「一膳めし屋」
 
 宿に荷物と自転車を置き、早速食い物を求めて町を徘徊する。メシ屋は探すまでもなく、
至る所にあった。縁日の屋台のように、道の両側にひしめきあっている。町を歩いただけで
彼らの食に対する情熱が伝わってくるようだ。 

 適当に一軒を選び、ドアを開けた。小汚い、小さな食堂で、従業員たちはテーブルの上で
トランプをしていた。少々ひるみつつ、席につき、ビール大ビンと麻辣豆腐(肉なしの麻婆豆
腐)を頼む。二つで6元、約100円。
 5分ぐらいで丼にてんこもりになった、ドロッと光る麻辣豆腐が出てくる。その異様な速さと
いい、やる気のなさそうな従業員の態度といい、味にはまったく期待していなかっただけに
一口食べた時はたまげた。うまい。ソースの辛みと甘み、そしてコク、ピリッと光る山椒の高
貴な苦み、それらが渾然一体となって淡白な豆腐の味を見事に膨らませている。味になん
ともいえない奥行きがある。何よりも感動したのは、こんな、一見パッとしない店でこれほど
の味を演出していることだった。中華料理の奥深さに触れたような気分にさえなったのであ
る。

 その日からぼくの頭の中は「食」で占められた。
 自転車で走っている時も、朝、目が覚めた時も、「さあ、何を食おうか」と考えている。一日
の走行の後、ビールを飲み、熱々の中 華を食べていると、本当に自分は幸せだと感じるこ
とができた。気がつくと、一人でメシを食べながら顔がゆるんでいるのだ。
 
 ぼくは元来、豆腐が大好きで、これまで旅してきた地域では食べられなかったこともあり、
毎日狂ったように「麻辣豆腐」を食べた。シンプルさの中に覗く深い味わいが実にぼく好み
だった。
 ある日のこと。いつものように晩メシに麻辣豆腐を食べたのだが、ちょっと物足りなかった
のでもう一品頼むことにした。さすがに豆腐料理を二皿つづけて食べる気にはなれず、何か
別のものを頼もうと、メニューを開ける。わけのわからない漢字がずらりと並んでいる。「一青
二白」というところで目が止まる。漢字からどういった料理なのかをあれこれ憶測するのも中
華料理の面白みの一つ。「青」はチンゲン菜で、「白」はイカだろうか?「二白」というぐらいだ
からイカがたっぷり入っているのかな? そいつはうまそうだ・・・
  ぼくは「一青二白」を頼んだ。
 
 10分後、目の前に現れたその料理を見て、固まった。
 「一青」…ネギ。
 「二白」 …たっぷりの豆腐…。 
 ぼくはしばしそれを眺めながらビールを飲んだ。そのうちどうしようもなくおかしくなって、肩
が震え出した。従業員が変な顔でこっちを見ているが、もう止まらない。ビールの酔いも手
伝って、ぼくは一人、涙を浮かべながら笑った。この時もやはり、ああ、幸せだなあ、としみ
じみ実感したのである。 

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