一章「再会と快哉」
光がこわかった。
外からの光が入ると、いっしょにたくさんのこわさがやってくる。
だけどおなかがすいてるから、まちどおしいとも少し思ってしまう。
「おなかすいた」
「....うん」
「ごはん、まだかな」
「夜にならないと、もらえないよ」
「……でも、ずっとここにいると、夜がいつかわかんない」
「….……外が早く夜になるといいね」
それからは、何もしゃべらなかった。おなかをなかせて。
まっくらな目の前をジッと、ジッと、ジッと見つめて。
そして、光がぼくたちをてらした。 - P10